August 26, 2011

【カンボジアに国際教育を】NIC校長廣田和子カンボジア訪問レポート

廣田和子(NIC代表/校長) カンボジア訪問レポート

廣田和子は、「カンボジアに国際教育を」の活動を始めました。多くのNGO・NPO団体また有名人の方々が、カンボジアに学校を建設しています。もちろん設備はとても大切なのですが、学校はできても「中身がない。」というのが実際に現地で教育を行っている先生たちの本音でした。そこで廣田和子および代表・校長を務めるNIC International College in Japanでは、学校を建設すると同時に、教育コンテンツを提供しようと計画いたしました。

下記は、7月上旬、廣田和子がカンボジアを訪問した際のレポートです。

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「貧しさという点では、カンボジアはインドとタイの中間だとおもいました。そして内戦/戦争にまきこまれていたので、多くの人の家族は誰かが亡くなっています。インドのお釈迦様の話にありますが、子供を亡くした母が、子供を返してとお願いしたのですが、どこの家を訪ねても皆、誰かが亡くなっているということを諭されるというお話ですが。。。それを思い出しました。たとえば、通訳の女性(39歳)のお父さんは地雷撤去の仕事で亡くなっています。お母さんは栄養不足で子供を生んだ後亡くなり、その子供もミルクがなくて栄養失調で亡くなっているそうです。

通訳の人たちはすべて独学で日本語を習得していました。メコン川を渡って、プノンペンから2時間半ぐらい離れた小さな村の学校に連れて行ってもらいました。ほんとに貧しい村です。やっと電気は繋がったそうです。

室井さん(カンボジアで植林をしている方)とカンボジア人のVichetさん(日本の大学に奨学金で留学した方)とお話をしました。そこには学校がありましたが、それも、なにもないところからVichetさんがいろいろと支援する団体などを探してきていたのがわかりました。そこはVichetさんのお父さんが支援した学校だそうです。一つ目の教室は、いとこの寄付で作ったそうです。日本円で約400万円。それと、日本のNGOの学校を作る会がお金を出してくれて、3つ目の教室が今建設中でした。でもすべてがまだまだそろっているわけではなく、私の預かっている香里基金(150万円。本の読者からの基金)の方は、職員室がないので、それを作ってほしいということになりました。今は、職員会議は外でやっているのです。予算は、10,000ドルぐらいを設定して、作る方向でお話しました。

先生方20数名と学生が50名あつまりましたが、(夏休みでしたが)そこで、一緒にお話をしました。職員会議も外のベンチで行いました。

学校に行けない子供がたくさんいるので、いろいろな寄付などで、施設は出来てきているようですが、問題は建てても教育の中身ができてないそうです。なので私が考えていた教育を持っていくという話は多分カンボジアでは、かつてないとのことです。
教員の月給は100ドルですので、8,000円です。年間10万ぐらいです。とても低いそうで、十分な教育はできないそうです。そこは中学校ですが、生徒は430人ぐらいいるそうです。でも先生は少ないので、多分短い時間しか授業ができないのだとおもいます。

子供たちはSHYでしたが、みなしっかり私をみて、話をきいてくれました。その中の13歳の子は、英語で話せるといって積極的に私のところに来てくれました。決してうまく話せるわけではないのですが。。。とてもその想いに感動しました。その子ともう一人の男の子はその後、職員会議が終わるまでずっと待っていてくれました。こんな小さな貧しい村の学校からとはいわなかったですが、みなさんが、いつか、東京のNICにきて、世界の大学にいけるようになれるように。。というような話もしたので、きっと夢を描いたのだと思います。今の現状では、ありえないことだから。。。

この貧しい村の学校から世界に繋がったら。。。子供たちにとってもすばらしい未来になるかと思います。Vichetさんと話したら、まったく同じ想いだったので、偶然の出会いとは思えませんでした。彼は20年前からこの何も無いところから考えていたといってくれました。高校も作れるというので、いずれはカンボジアの貧しい村でいい教育を行うのが夢だといっていました。プノンペンにもしっかりした質のいい、海外に出て行く学生へのNIC Schoolを作る話にも(これは室井さんとも以前話したのですが、)Vichetさんはとても興味を持っていました。カンボジアはしっかりした人を介さないとお金が末端まで行かず、抜かれていくそうです。賄賂の社会なのです。なので、きちんとした人を知らないと簡単に学校も何もできないということです。

それからアンコールワットにある、知り合いが作っている施設も訪ねました。皆、孤児で、親がいなかったり、家族が多くて食べていけないので、そこに送られたという子供たちです。16名、8歳から18歳ぐらいまで。。。戸籍がないので本当の年齢もみな知りませんので、大体の年齢を言っているのです。

「みんな、こんにちわ、私は。。。です。何歳です。僕の夢は英語の先生です。」とか、「夢は医者です。私はエンジニアになりたいです。。。。」とか、本当に、純粋な深い目をして(切ない半分哀しい目でもあります)、日本語で自己紹介をしてくれました。そのNGOの施設を一人でおこなってきた恵子さんは7年たって、やっと、施設の家をたてました。これも300万ぐらいです。そこにボランティアで、元自衛官の女性が手伝っていました。子供たちが自転車がないので、遠くまで学校に歩いて通っていると言っていたので、自転車8台が買えるというので、200ドル恵子さんに寄付してきましたが、これは2か月分のあちらの給料です。恵子さんは本当に喜んでいましたが、日本との貨幣価値の違いですね。

いろいろとご報告があるのですが、とりあえず、簡単に、お伝えしました。貧しいのですが、でも一生懸命に生きている姿が見えました。なんでも有り余る日本の社会と違って、お金もなにもないところで生きていると、みな、半端でないものがある感じがします。何でもものがあるのが幸せなのかどうか。。。。とても考えさせられました。7月25日にそのカンボジア人のVichetさんが来日しますので、そのときに今後の細かい計画をしていきます。」

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NPO設立計画と今後の計画

○ 2011年中にカンボジアを始めとする世界の貧しい国々に教育を提供するためのNPO法人の設立を予定
○ 2011年11月 テアイ中学校職員室棟(NIC-Kaori Memorial Building)完成
○ 2012年1月  同 中学校 開校式


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あとがき 〜感謝の気持ちに代えて〜

娘香里が突然他界してから、早18年が経ちました。そのときは、私は、日ごろ日記を書く習慣がありましたので、生きていることも死ぬことも何がなんだかわからず、ひたすら毎日日記に、自分の抑えきれない気持ちを書き続けるしかありませんでした。その日記が”香里18歳の天使”という本になり、その本が歩き出してくれました。香里も教育に興味があり、教育は人間のボトムを支えるものだと思っていました。私と香里はインドやタイにも一緒に出かけました。インドを訪れた時の香里の顔は周りがどんなに貧しく汚くても、なぜか、とても幸せそうな顔をしていました。

彼女のあの落ち着いた顔、今になると、優しい顔といったほうがいいかもしれませんが、それは、きっと、あのインドの地に何かを感じたのだと思います。タイにも立ち寄りましたが、インドよりまだ生きる環境がよかった様にもそのとき感じました。

そんなことがあったので、香里の本が出版された時、本の中に香里基金として、貧しい子供たちへの教育基金への寄付のお願いのメモをいれました。いろいろな方々からたくさんの読後感想と共に香里基金への寄付も頂きました。お子さんやお孫さんを亡くされた方や、さまざまな人生を送ってらっしゃる方、お若い方からも勇気や温かさをもらったというお手紙もたくさん頂きました。そして一口千円という香里基金は150万円にもなりました。振込み式なので、すべての方の住所が把握できませんが、多くの方々のそれぞれの"想い”の詰まった大切な基金です。いつも心に気になっていましたが、インドやタイとの出会いがなかなか見つからなかったのですが、今年、1月に思いがけなく、カンボジアで植林をしているという室井さんに出会い、カンボジア人のVICHETさんに出会ったとき、迷いもなく、ここなのだと思いました。

カンボジアはいろいろな団体が支援しているので、自分の中ではあまりイメージが湧かなかったのですが、実際訪問してみて、学校建設の援助はたくさんあるのでしょうが、その中身である教育そのものはまだまだ足りてないというのを感じました。そして、私がずっと携わってきた国際教育をこの地の貧しい子供たちに提供できるのではないかと、訪問したときに直感致しました。貧しい生活の中だからこそなのでしょうが、純粋な心が子供たちから伝わってきました。そして、この7月末、カンボジアの小さな貧しい村の学校に香里基金1万ドルで、職員室棟を立てる計画がきまりました。そして今後このTHEAY中学校に英語と日本語の教育を提供することを決めました。

夢を叶えるという言葉がNICのテーマですが、やっと、日本から、アジアの子供たちへ、このNICの教育理念を伝える時がきたように思います。NICのOBたちからの応援支援も早速頂いています。香里基金という皆様の心をやっと、形にして、私と香里が描いていた教育支援をカンボジアからスタート出来る事になったことに、とても感謝申し上げます。皆様の温かいご支援と想いがなくしては、今日の日がありません。

NICは来年25周年を迎えます。8,000人を超える若者たちがNICを通して世界で活躍をしています。25周年を記念として、香里基金をもとに、私たちはさらに、恵まれない子供たちへの教育支援をすることで、夢をもち、社会に貢献できる人々への育成を広げて行きたいと思います。

皆様のこれまでのご支援に心から感謝申し上げると共に、これからもどうぞ子供たちの未来を作る教育にご支援頂けますようお願い申し上げます。


  廣田 和子
香里基金代表
NIC International College in Japan 代表/校長

香里基金残高と寄付のお願い

今後の香里基金の活動のための寄付をお願いいたします。一口1,000円から承っております。
皆様のご協力に心から感謝申し上げます。

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2011年7月15日 残高 1,500,000円
2011年8月 9日  職員室棟建設のため1万ドル寄付   残高  700,000円
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振込先:  みずほ銀行 新宿支店 普通 4902296
口座名: 香里基金 事務局代表 廣田和子

※お振込頂く際には、お名前とともにご住所および連絡先を入れて頂けますようお願い申し上げます。


廣田和子(ひろたかずこ): NIC International College in Japan代表/校長。
米国TOEFL理事(2001-05)。教育学博士。

高校卒業後、米国ミズーリ州オザークス大学へ留学。青少年国際教育交流プログラムの立ち上げ、運営を経て、1988年、NICの前身ネバダ州立大学日本校設立に伴い、常任理事就任。
1997年(財)国際教育協会常務理事就任。2000年、ハーバード大学教育学大学院MLE課程を修了し、翌年には日本人として初めて米国TOEFL理事会理事に就任。20年以上国際教育に携わり、8000名以上を超える学生を海外の大学へ送り出す。「若者力大賞2009」ユースワーカー支援賞ほか受賞多数。著書に『香里-18歳の天使』『きみは変われる-夢をもって世界へ羽ばたこう』(ともに草思社)、『ハードbut楽しい-本気の学びは人生を変える』『ハードbut楽しい-厳しさの先に希望がある』(ともに教育家庭出版社)、『魔法の英語学習法』(青春出版社)など。

Posted by ktukjp at 17:38